アオノクマタケランは、奄美大島や沖縄など、日本南部に自生するショウガ科の多年草で、古くから健胃・整腸などの民間療法に用いられてきました。また、葉には防腐・抗菌作用があると考えられ、奄美ではカシャ餅と呼ばれるヨモギ餅を包むのに使われてきました。
シェルゥームは、この希少な植物「アオノクマタケラン」に着目。東京農工大学との共同研究を開始し、アオノクマタケランの圧搾蒸留抽出液に、肌のかゆみや炎症を抑え、肌のバリア機能を保護する作用があることを見出しました。
本研究で使用したアオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液は、アオノクマタケランの葉や茎を細断後、沸騰水中で加熱したのち、圧搾・蒸留して無菌的にアオノクマタケラン蒸留水(圧搾搾汁蒸留水)として得られたものです。
アオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液を添加した細胞を培養すると、表皮細胞における炎症性サイトカインの産生などが抑制されました。このことはアオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液を塗布した皮膚では、炎症やかゆみを緩和する可能性を示すものと言えます。
さらに、アオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液に含まれる成分を分析したところ、βピネンという松などに含まれる芳香属の物質が多く含まれており、βピネンにかゆみや皮膚炎を緩和して、皮膚バリアを保護する働きがあることを突き止めました。有効成分βピネンを含むアオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液は、敏感な肌の方にも有効なスキンケア製品となることが期待されます。
2011.09
国立大学法人東京農工大学と化粧品原料の成分について共同研究開始。
2016.03
「アオノクマタケラン由来成分を含有する組成物」で特許取得。
2016.05
[学会発表]
「TOBIRA第5回研究交流フォーラム」で東京農工大学 松田浩珍 教授との共同研究で「植物抽出成分による皮膚バリア保全効果」について発表を行いました。
2016.10
[学会発表]
「第26回国際痒みシンポジウム」にて「アオノクマタケラン圧搾蒸留抽出物による痒み抑制効果」について発表。
2016.12
[学会発表]
「日本研究皮膚科学会 第41回年次学術大会・総会」にて「植物抽出成分による皮膚バリア保全効果」について発表。
2017.04
日本皮膚科学会「The Journal of Dermatology」に研究成果が掲載されました。
2017.05
[学会発表]
「TOBIRA 第6回研究交流フォーラム」にて「アオノクマタケランによる皮膚炎改善及び痒み抑制効果」について発表。
2018.10
医学雑誌「アレルギーの臨床」に研究成果が掲載されました。