シェルゥームの肌研究

NEWS

2011.09
国立大学法人東京農工大学と化粧品原料の成分について共同研究開始。
2016.03
「アオノクマタケラン由来成分を含有する組成物」で特許取得。
2016.05
[学会発表]
「TOBIRA第5回研究交流フォーラム」で東京農工大学 松田浩珍 教授との共同研究で「植物抽出成分による皮膚バリア保全効果」について発表を行いました。
2016.10
[学会発表]
「第26回国際痒みシンポジウム」で東京農工大学 松田浩珍 教授との共同研究で「アオノクマタケラン圧搾蒸留抽出物による痒み抑制効果」について発表を行いました。

国立大学法人 東京農工大学×シェルゥーム共同研究【特許取得】

特許取得
特許 第5894311号

「近年、安全性の高い伝承的ナチュラルリソースに注目が集まっています。奄美大島産アオノクマタケランの抽出成分には、アトピー性皮膚炎疾患モデルに対して皮膚の炎症や痒みを効率的に抑える作用のあることが明らかになりました。」
東京農工大学 分子病態治療学研究室 教授 松田 浩珍氏

東京農工大学
分子病態治療学研究室 松田浩珍教授

免疫・アレルギー学専門。マスト細胞の生理機能解析、アトピー性皮膚炎の免疫病態学的解析、
神経成長因子の免疫・炎症反応における役割について研究。

東京農工大学 分子病態治療学研究室 教授 松田 浩珍氏

研究論文の要旨

アオノクマタケランは、奄美大島や沖縄など、日本南部に自生するショウガ科の多年草で、古くから健胃・整腸などの民間療法※に用いられてきました。また、葉には、食物の腐敗や変質を防ぐ作用があると考えられ、葉を用いて食物を包んで保存することも行われています。株式会社シェルゥームと東京農工大学との共同研究により、アオノクマタケランの圧搾蒸留抽出液に、かゆみや皮膚の炎症を抑えて、皮膚バリア機能を保護する作用があることを見出しました。
※生薬名/種子をクロデイズシュクシャ(黒手伊豆縮砂) 根茎をレンキョウ(廉姜)
アオノクマタケラン

アオノクマタケラン

葉で包んだ奄美郷土菓子 (カシャもち)

葉で包んだ奄美郷土菓子 (カシャもち)

皮膚炎を発症し、強いかゆみが認められる状態で、1日1回アオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液を塗布すると、1〜2週間のうちにかゆみや炎症が軽減し、皮膚炎の臨床症状が改善しました。
そのメカニズムを解析するために、細胞を用いた実験を行いました。アオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液を添加した細胞を培養すると、表皮細胞における炎症性サイトカインの産生、肥満細胞の活性化、あるいは神経突起の伸展が抑制されました。
このことは、アオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液を塗布した皮膚で、表皮細胞や肥満細胞の活性が抑えられると同時に、神経細胞の発達を阻止してかゆみを緩和する可能性を示すものです。

〈アオノクマタケラン蒸留法の仕組み〉

アオノクマタケラン蒸留法の仕組み

さらにアオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液に含まれる成分を分析し、βピネンという松などに含まれる芳香属の物質が多く含まれていること、およびβピネンにかゆみや皮膚炎を緩和して、皮膚バリアを保護する働きがあることを突き止めました。有効成分βピネンを含むアオノクマタケラン圧搾蒸留抽出液は、敏感な肌の方にも有効なスキンケア製品となることが期待されます。

アオノクマタケラン

アオノクマタケラン

葉で包んだ奄美郷土菓子 (カシャもち)

葉で包んだ奄美郷土菓子(カシャもち)

〈アオノクマタケラン蒸留法の仕組み〉

アオノクマタケラン蒸留法の仕組み

〈 芳香属 βピネン 〉

芳香属 βピネン

〈皮膚炎抑制メカニズムの解明〉

  • 炎症伝達物質の
    抑制
    炎症伝達物質の抑制

    PAM212ケラチノサイト株のTSLP発現検討

    アオノクマタケラン抽出物の存在下でtoll-like receptor 2リガンドであるリポタイコ酸(LTA)を12時間作用させたときのthymic stromal lymphopoietin (TSLP) mRNAの発現量をqPCRにより比較したところ、TSLP産生抑制作用が認められた。
    **, p < 0.01(vs LTA添加コントロール群)

  • アレルギー症状の
    原因物質放出を抑制
    アレルギー症状の原因物質放出を抑制

    骨髄由来マスト細胞の脱顆粒試験

    C57BL/6由来の骨髄由来マスト細胞をアオノクマタケラン抽出物にて2時間前処理後、IgE架橋による脱顆粒作用への抑制効果をβヘキソサミニダーゼ試験により評価したところ、脱顆粒が抑制された。**, p < 0.01(vs IgE架橋コントロール群)

  • 炎症・かゆみの増長を
    抑制
    炎症・かゆみの増長を抑制

    PC12細胞株のNGF応答性神経線維伸長評価

    神経成長因子(NGF)により神経細胞様に分化するPC12細胞にアオノクマタケラン抽出物を作用させ、NGFにより誘導される1細胞あたりの神経線維数を比較したところ、抑制効果が認められた。**, p < 0.01(vs NGFコントロール群)

〈結論のイメージ〉

アオノクマタケラン抽出物→皮膚炎抑制・皮膚バリア機能増強
  • 〈肌の水分が蒸散する量の違い〉
    肌の水分が蒸散する量の違い

    **は、各測定時点での純水処置との比較を示す(p < 0.01)。

  • 〈肌の水分が蒸散のイメージ〉
    肌の水分が蒸散のイメージ
  • 〈皮膚バリア機能回復の違い〉
    皮膚バリア機能回復の違い

    **は、各測定時点での純水処置との比較を示す(p < 0.01)。

[試験方法](1)セロハンテープ着脱法実施前に被験者の経皮水分蒸散量(TEWL)を測定しTEWLが10g/m2/hr以下、であることを確認した。(2)セロハンテープ着脱法を20回繰り返し、TEWLが20〜30g/m2/hrとなるよう に皮膚バリアを破壊した。(3)セロハンテープ着脱法を実施した部位に被験物質のいずれかを 200-250μl 噴霧塗布し、塗布試料の液性成分の蒸発のため10分間自然乾燥した。(4)塗布下から所定の時間後TEWLを測定した。(5)TEWLは、セロハンテープ着脱法実施直後の値を基準として、以下の計算式により皮膚バリア機能の回復%を算出した。●回復率=(皮膚バリア破壊直後のTEWL値)ー(塗布後の各測定時点のTEWL値)/(皮膚バリア破壊直後のTEWL値)ー(皮膚バリア破壊前のTEWL値)×100%